波打った深い青の空に、無数の淡い光が流れていく。
周りには不思議な形に吊り下げられた装飾がなされ、色とりどりに輝いている。
何かの祭りだろうか。
辺りは逆さまに空に張り付いた猫でにぎわい、それぞれに空へ一粒の光を流していた。
流された光はゆっくりと深い青の中を進み、次第に小さくなり、やがて消えていった。
「…まるで魂が天に昇っているようだにゃ」
次第に頭が重くなることに違和感を覚えながら、いつまでも光の流れを眺めていた。
-自分が逆さまになっていたことに気づいたのは、
いつの間にか尻尾についていたランタンが地面に落ちた時だった-
そして思い出す。今宵はケンタウル祭。青を流れる群れは鎮魂の光。
落ちたランタンは幸いにも無傷で、灯火も消えずに揺らめいていた。
…自分には送り出す魂などいない。なのになぜ…
そう思いつつも、拾いあげたランタンを大事に抱え川へと歩き出す。
やがて、側までくると周りの人がそうするように、淡い光を川へそっと流した。
流した光は他の光と連なり流れていく。
連なった光はゆっくりと進み、やがて見えなくなっていった。
…ああ、そうか。
何かを理解すると、川に背を向け、唐突に人のいない暗いほうへと走り出した。
…送り出したのは過去の自分なのだ。
何も分からない、いや、何もない自分との決別。あるいは…
足をとめ、息を切らし、その場にうずくまる。
…既に死んでしまった自分そのものへの鎮魂なのかもしれないな。
なぜ、そんなことを思うのかは分からなかった。
自分は存在しているし、過去は分からないだけ。
なのに、思ったことは紛れもない事実だと信じずにはいられなかった。
空は濃い青をして、無数の星々が煌いていた。
地では深い青をたくさんの淡い光が流れていた。
青と青はやがて混ざり、淡い光の群れは星々と連なっていった。
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クインスPLムラさんのご好意で、星祭の夜に参加させていただきました。
猫化してもハイロと分かる雰囲気、逆さまという構図も面白いですね。
素敵な絵をありがとうございますっ!
…実は元ネタはまったく知らず、クインスさんの熱い語りと動画のみを元に
脳内補完して日記を書きました。
ですので、イメージにだいぶズレがあると思います。原作好きの方すみません。
とりあえず、「にゃ」はダウトだということが分かりました。くぅ…。
周りを見渡しても、皆雰囲気のある綺麗な感じで、素敵な夢の一夜を過ごせました。
このようなイベントに参加するのは初めてでドキドキだったのですが、
なんだか良いものですね。クインスさん、ほんに多謝です。
最後に捕捉の偉い人やクインスさん全コメおつかれさまでしたっ。